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業界インタビュー

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永井香織さん

「日本建築士会連合会」の連合会女性委員長、日本大学生産工学部建築工学科 准教授。
「建築構造・材料」を中心に研究している一方、「学生にもっと建設業界の事を知ってもらいたい」という想いから企業と協力をして、学生と現場見学会やディスカッションを行っている。日本建築士会連合会 女性委員会では、女性が技術的なキャリアを持って出産・子育て・介護の中で、両立して常に勉強を継続できる場の一つとして作り上げてきた。
女性参画の教育に多岐にわたって活躍する。

必要なのは、ロールモデルとなる女性リーダー

現在教えられている建築学科の中で在籍の女学生はいらっしゃいますか?

 永井香織さん

いますよ。女性だけのコースがあるんです。年々女性の関心が高まっているから女性のみというコースができたと感じます。但し、一学科のみこういう形で実現できていますが、その他のコースでは女性のみというコースは出来ていません。 全てのコースで女性のみのコースが出来るほど女性の建設業界への関心が高まっていってほしいですね。

建築業界に向いている方というのはありますか?

ありますね。どの業界でも一般的な部分だと思いますが、「礼儀」という部分がしっかりできている方、上司の言った事に素直に対応できる人が向いていると思います。スピーディーに対応してもらえる方が先輩社員からも信頼してもらいやすいですしね。こういった要素は重要かなと感じます。
私が新入社員の時は闇雲に挨拶していましたね。
私は研究所の研究員だったんですけど現場に行くことはすごく多かったです。
現場というのは一言でいえば面白いんです。現場で一つの建物を建てていく中で、一緒に関われるというのがすごく楽しかったんです。調査・計測等で色んな方々に教えてもらいながら現場に行っていましたが、なんとなく楽しさの方が勝っていた気がしますね。

建設業界に女性が少ないのはなぜだと思いますか?

永井香織さん
 
 

もともと女性が少ないというのは建築に限らないですよね。 社会進出という意味で言うと建築に限らず、電気とか機械とかいわゆる工学分野に関しては女性は少ないです。男の社会のイメージが強いんですね。また建設業界は長時間労働という部分が女性の興味を削ぐ要因の一つなのは間違いないですし、勤務場所がオフィスではなく工事現場だという事で余計3Kのイメージが払拭しにくいと思います。同じ残業をするならパソコンに向かって残業をするのと、工事現場で職人さんに指示を出しているのではどちらの方が華やかかという話になるのではないかと思います。    

若い世代にもっと広く伝えていきたい

現状では、どんな女性が業界で活躍されているんでしょうか?

永井香織さん

今は女性が現場にいても珍しくはない時代になりました。相変わらず少数派だとは思いますけれども、20年くらい前なら「現場に女性がいるからびっくりする」とか、そういう感じでした。今は違います。建設会社でも、女性を現場へ配属することが少なくありません。そうした少数派の中でも、現場へ行って働いている女性たちは物作りが好きな人が多い印象ですね。土木なら道だったり橋だったりです。でも実は、業界で活躍している女性は、現場以外にもたくさんいます。

ただし実際にやっている女性に話を聞くと、やりがいを感じている女性も多くいますし、現場に入ってみると最初に抱いていたイメージとずいぶん違うと分かると思います。
日本の大学だと40~50年前からインターンシップを導入しているのですが、大学によっては必修で現場体験として2週間程度工事現場を見に行くところがあるそうです。
その大学に在籍している設計志望の女の子の話ですが、設計関連のインターンシップに申し込みをするつもりだったのですが、誤って現場の方に申し込みをしていました。
本人は設計関連のインターンシップに参加したかったようでしたが「いい経験になるから行ってごらん」と伝え現場のインターンシップに参加したところ「現場はすごいかっこよくて楽しかった!設計希望だったのだけど施工管理がやりたいと思ってます!」と言ってくれました。やはり一度現場に行ってみる事は大きな体験であり、イメージが変わる事と思います。それまでは遠くから見ているだけで自分のイメージが先行してしまっていたのだと思いますし、そういった選択肢を増やしてあげる環境というのも大事だと感じました。

現場に行くきっかけでいいアイデアはありますか?女性が現場に赴くツアーをやっている会社もありますよね。

現場見学会はどこの企業もやっていますよ。建設会社で言えば技術者を希望する人たちとマッチングを考えて、必ず現場見学会を行い、その後面接をしたり感想を聞いたりという話もあったりしますね。
それは女性だけではなくて学生に向けて行っているものなので、一般向けでは行っていませんが男性も女性も一緒にやっていますね。
建設業界企業全般で現場見学会を行えれば別だとは思いますが、そういった取組を行うまで企業としてメリットがあるかという話だと思います。

現場をもっと知って欲しい

どうしたら女性をもっと建設業界に呼び込む事ができますか?

やっぱり体験に叶うものはないと思います。現在さまざまな取り組みを行ってますが、その中の一つとして日本建築仕上げ学会というところで、企画事業委員長をやっています。その企画事業委員会の中に女性ネットワークの会を今年の1月から立ち上げているんですね。
数人の設計者や、研究所の方、カラーリストの方、女性の技術者の方等に話をしてもらったら、参加者が「すごく楽しくて次の会にもぜひ参加したい」とコメントをいただきました。
また、女性ネットワークの会ともうひとつ建築学会関東支部の材料施工研究会の主査も行っています。どちらも主査をやっているので両方をコラボレーションしようと思っています。関東支部の材料施工研究会ではゼネコンの現場見学会をこれから11月に開催する予定ですが、そこで女性の現場監督さんがいるので、そこの人たちに最初は現場の中を案内してもらって、学生を含めてディスカッションしようと考えています。
少しでも学生の方々に身近に感じてもらえたらこれ以上うれしい事は無いですね。

永井 香織さん

最後ですが、建設業界で働く全ての女性の方々へメッセージやアドバイスをお願いします。

女性が活躍できる場ということでクローズアップされてしまっていますが、現状男性が多い業界なのは間違いありません。そういった場に飛び込むには「私にできるかしら」という不安が湧いてしまうでしょう。しかしおそらく不安に思われる「怖そう」「辛そう」といった事は無くて普通に入れば全然楽しい世界が待っている。その入るための一歩の勇気があれば、楽しさを得られると思います。

是非近い年齢だけではなく、女性の先輩達や会社の先輩だったり、他で活躍している建築士の女性先輩など各地域にいますから、女性委員会にちょっと顔を出してみると色んなアドバイスを受けられて心強いと思います。

~取材を終えて 編集後記~

学生の方へ「建設業界」を知って欲しいという想いを深くお聞きしました。現在は日本建築士会連合会 連合会女性委員長としてご活躍され、日本建築仕上げ学会 企画事業委員長も兼任されています。多方面に活躍される永井さんですが、初めてこの業界へ飛び込んだ時は現場の職人さんから機材の扱い方や現場というものを教わっていたそうです。

永井さんが委員長に就任された年はちょうど20周年記念であり、女性建築士の会をどのように発展させていくかという岐路だったそうです。その際に今まで就任されてきた方々から「子供を連れて打ち合わせをできるように」「家業・育児との両立が出来る様に」などの働きかけを行い、技術的なキャリアを身につけられる様にする為、勉強できる場の提供をしてきたというお話を聞かれたそうです。「後押しがない状況で切り開いてきた先輩達の苦労は想像できますよね」このお話を聞いて、女性が活躍できる場を私たちが、その後押しをしていこうと、強く感じた建設×女子部でした!

日本建築士会連合会では年一回協議会を行い、震災後の取り組みや地域ごとの活動報告、ボランティアの活動紹介を行っています。全国から建築士の女性が集まり分野に分かれての勉強会を行っています。こうした活動を通して各地で孤軍奮闘する女性への励ましになれる様、新しい情報を発信していきたいと考えています!

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